令和7年第2回定例会 所信表明
令和7年第2回定例会(2月25日)
令和7年第2回永平寺町議会定例会 開会のあいさつ
本日、ここに令和7年第2回永平寺町議会定例会が開会されるにあたり、町政運営の所信の一端を申し述べるとともに、今回ご提案いたします議案等の概要について、ご説明申し上げます。
寒明けするもここ数日は雪に見舞われており、春の足音を待つ時期となっております。
議員各位におかれましては、ご壮健でご活躍のことと心よりお慶び申し上げます。第2回定例会のご案内をさせていただきましたところ、ご参集賜り、厚くお礼申し上げます。
今年に入ってからも世界経済は安定して緩やかな成長を遂げており、国際通貨基金による最新の世界経済見通しによれば、2025年も昨年と同様、世界全体で3.2%の成長が予測されています。先進国と新興国等でペースの違いがあり、先進国は1.8%と緩やかな成長に留まるものの、新興国等は4.2%と強い成長を見せるものとなっております。また、懸念されているインフレ率は徐々に低下していく傾向にあり、世界全体でも昨年の5.9%から今年は4.2%まで鈍化する見込みとなっております。
そのようななか日本経済も緩やかな回復基調の途上にあり、昨年9月時点の実質GDP成長率は前期比で0.2%の増となり、2四半期連続のプラス成長を記録しています。これは主に個人消費の増加が影響したもので、気象悪化による交通機関の乱れから旅行需要にはマイナスの影響があったものの、総じて外食産業等を筆頭に支出が堅調に推移しています。先日、発表された2024年国際収支速報でも、歴史的な円安を背景として自動車や半導体製造装置などの機械産業輸出額が大きく膨らみ、訪日客が拡大したことで経常収支も黒字化を伸ばし、1985年以降で最大の黒字額を記録しました。今後の先行きについても、冬のボーナス支給や賃金の改善に伴い、個人消費のさらなる増加が期待されるところであり、昨今の物価動向を鑑みても長年に渡るデフレ環境から脱却しつつある状況だと言えます。
一方で県内に目を向けますと、昨年の北陸新幹線開業は県内にとっても大きな転機となっており、首都圏をはじめとする沿線地域からの人の流れが活発になっております。また、町内においてもそういった県内情勢と合わせて伝統的酒造りのユネスコ無形文化遺産登録を機に、門前地区や町内酒蔵を中心として関係人口増加の継続が見受けられております。このような人の流れに対応するため、新たな映像サービスを搭載した車両による自動運転走行の実証、住民の皆様を対象としたデマンド型乗合タクシーの試行運行などMaaSの取り組みをさらに促進させ、町内での移動交通がより便利に、新たな価値の創造につながるよう関係者の皆様方と鋭意取り組んでいるところです。今後も町内に多くの投資や様々な連携、交流が生まれていくよう交流、関係人口の増加を促すとともに、本町に住んでいらっしゃる皆様が安心して住み続けられる、誰一人取り残さないまちを目指して一つ一つの取り組みに心を込めて頑張ってまいります。
それでは、財政課関連、令和7年度当初予算の概要について申し上げます。
予算編成にあたっては、「第二次永平寺町総合振興計画 後期基本計画」および「まち・ひと・しごと創成総合戦略」に基づく事業を着実に推進するため、また、議会や監査委員からいただいたご意見やご指摘、庁内でのヒアリング内容なども反映させ、限られた財源の中で効果的に事業を進めていくために必要となる予算を編成いたしました。
施策の内容は、この後、課ごとの取り組みをご説明いたしますが、新年度は「持続可能な住みよいまちづくり」を念頭に、国および県の補助金を最大限に活用した事業推進を図りながら、借入れが最終年度となる合併特例債の活用による積極的な建設投資を推進してまいります。
一般会計の令和7年度当初予算額は前年度比、金額で13億1,934万7千円、率にして13.6ポイントの増となる110億333万6千円を計上いたしました。
歳出では、人件費、扶助費、公債費からなる義務的経費の総額は前年比約2億8,000万円増の約44億6,000万円、物件費は前年度比約4,000万円増の約16億6,000万円、普通建設事業費は前年度比約11億2,300万円増の約19億4,400万円を計上しております。
歳入では、地方税収入として約21億1,200万円、地方交付税41億6,000万円を計上しているほか、国庫支出金約12億2,500万円や県支出金約8億4,400万円、合併特例債や過疎債、辺地債などの有利な町債約11億8,300万円などを活用することで財源の確保を図っており、財政調整基金繰入金の予算措置額は前年度を約5,600万円下回るなど、財政運営の健全性の確保に努めたところでございます。
続いて、会計課関連について申し上げます。
令和7年度に実施される自治体情報システム標準化に伴い、各種税金等、納付書のレイアウトが変更されますので、新帳票に対応できるようにシステム改修を行います。また、国内の金融政策では従来のマイナス金利政策から脱却しつつあり、金利も上昇傾向に向かっております。このような情勢を踏まえて、適切な時期を見定め基金を含む資産の有効活用を行ってまいります。
続いて、総務課関連について申し上げます。
ふるさと納税関連では、令和6年度の個人版ふるさと納税の寄附総額が先月末時点で5,300件、1億1,643万円となり、前年度同時期との比較は件数で51%、金額で26%の増加となっております。現在、ふるさと納税に関する情報と観光や移住に関する情報を組み合わせた本町のPRデータを作成しておりますので、令和7年度はこのPRデータを最大限活用して、本町の魅力を発信することでリピーターをさらに獲得できるよう努めてまいります。
企業版ふるさと納税では、1月末時点で28社、3,940万円の寄附をいただいております。個人版ふるさと納税が大きく増額となった一方で、第2期門前再生事業における店舗の竣工に伴い企業版ふるさと納税は減額となっています。企業の皆様には「福井永平寺ブルーサンダー運営」として多くの支援をいただいておりますので、それを原資として運営支援につなげていきながら、寄附額の1割については寄附者の意向に基づき、関連事業等へ活用させていただきたいと考えております。これらどちらの取り組みも一般財源を確保するうえで非常に重要なものと認識しておりますので、より良い取り組みとなるよう今後も慎重に進めてまいります。
続いて、令和7年度は旧3町村が合併して20年を迎える年となります。この年を本町の新たな飛躍に向けた年と位置付け、記念式典や記念事業を冠した催し等を通して町内外の人々の交流を創出し、にぎわいのあるまちづくりに向けた施策を進めてまいります。記念式典は、功労者表彰や前回式典以降の10年間の振り返り映像の上映等を予定しております。また、記念事業を冠した催しは、今後、町内若手の皆様を主とした実行委員会を中心に立案してまいります。
また、人口減少に伴い職員数と質の確保がこれまで以上に重要となっていくなか、より良い労働環境の実現は必須であると考えております。その対応としまして、個人のキャリアアップやライフスタイルに応じて、昇任や配置などへの配慮等現在の取り組みは継続しつつ、近年は男性の育休取得率向上やハラスメント対策など、新たな課題が全国的に現れておりますので、職員が思い悩む状況とならないよう日頃からコミュニケーションを相互に取れる風通しの良い職場づくりと職員の能力が発揮されるよう適材適所の配置を徹底いたします。併せて、職員間の呼びかけには役職名を用いないことで親しみやすい距離感でのコミュニケーション実現や節度とTPOをわきまえた通年のオフィスカジュアルを推進することで働きやすい労働環境の整備もこれまで以上に進めてまいります。
その他、機構改革としまして、地域づくり応援課を支所に配置し、自治会を含めた各種団体に関すること、町が管理する施設の維持管理、その他地域振興に関することを所管することで支所機能強化が図れるよう提案してまいります。
続いて、契約管財課関連について申し上げます。
これまで公共施設等の施設管理に対する計画や工事、業務の執行は、個々の施設所管課が行ってまいりました。そのため、工事、修繕などの対応も各所管課の判断に委ねられてきたことから、施設管理に町としての統一性や計画性を欠く場合がございました。また、工事担当職員の異動に伴うノウハウの継承や、技術的な知識不足などが事務負担となっていることが課題となっておりました。
これらの課題解消のため、令和7年度からは施設を管理する上での工事や修繕を「契約管財課」に一元化いたします。工事管理業務及び契約事務の効率化や、施設修繕についての優先順位付けを行うなど、施設の状態を横断的に「契約管財課」が把握できることになります。また、各所管課の工事に係る業務が削減されることにより、課内における業務量の平準化が図られ、他の業務に専念できることになると考えております。
老朽化が進行する現在の施設を効率よく管理し、施設の不備を少しでも解消していくための組織的な仕組みを構築することで、より効率的な維持管理を推進してまいります。
また、ゼロカーボンシティの実現に向けた取り組みとして、令和7年度より本格的に公共施設照明のLED化を推進してまいります。照明のLED化は、電気料金の高騰、省電力、長寿命化、環境面および財政面など複合的な観点から大変有意義な手段であり、令和7年度15施設、令和8年度43施設と2カ年で整備してまいります。
続いて、防災安全課関連について申し上げます。
能登半島地震から1年が経過しましたが、今もなお災害関連死の数は増え続けており、直接死の228名を大きく上回る300名以上の方が犠牲になっております。こういった災害関連死を少しでも防止するために、町ではかねてより個別避難計画の作成と避難所の環境整備を図ってまいりました。個別避難計画については、令和3年度の災害対策基本法改正より準備を進めて令和6年度までの累計で67集落、335名分の計画を作成済みでございます。これからも要配慮者一人ひとりに沿った計画を作成するために、地域の皆様のご理解とご協力をいただきながら一層推進してまいります。避難所の環境整備については、施設の長寿命化計画に合わせてトイレの洋式化や空調設備等の改修を進めていくとともに防災備蓄倉庫の設置などを計画的に進めてまいります。また、自主防災組織に対する活動費や資機材購入費にかかる費用の補助は、これまで同様に支援するとともに、防災井戸としての活用を目的とした水質検査にかかる費用の一部を新たに助成して大規模災害時の断水に備えます。さらに住民の主体的な避難行動を促すため、防災の手引きや防災マップを作成するなど、地域防災力の向上を図ってまいります。
防犯対策では、最近は強盗による被害も多く、特に高齢者の方は強い不安を感じる状況となっております。町では従来の自治会で設置する防犯カメラの設置補助のほかに、高齢者世帯が購入する防犯カメラや防犯フイルム、センサー付きライト、カメラ付きインターフォンなど防犯インフラの整備を強化するとともに、福井警察署や防犯隊と連携して、犯罪を未然に防ぐための啓発活動にも取り組んでまいります。
その他交通対策では、道路交通法改正に伴い自転車に乗るときは自転車用ヘルメットの着用が努力義務となりましたが、未だ県内では着用率が低いことから町独自の自転車用ヘルメット購入補助により着用促進に取り組み、自転車乗用中による交通死亡事故防止に努めてまいります。
続いて、総合政策課関連について申し上げます。
まず、計画策定関連では、第3期まち・ひと・しごと創生総合戦略として「永平寺町デジタル田園都市構想総合戦略」の策定を進めているところです。本計画は、国の地方創生交付金や県補助金等の申請要件となっており、様々な財源確保につながる内容となっています。今回の策定では、第2期総合戦略の取り組みを継続しつつ、国の方向性に沿って、デジタル技術を活用して地域格差やマンパワーの不足を補っていくという視点を含めています。さらに、今いる住民が豊かに暮らし続けることができるように、地域課題に則した計画へと更新いたします。
公共交通対策関連では、えちぜん鉄道の志比堺駅、光明寺駅に、ベビーチェアも備えた多目的トイレを整備して、本年1月から供用を開始しております。これにより、町内の全ての駅にトイレが整備されました。引き続き、鉄道の利用環境の向上に努めてまいります。デマンド型乗合タクシーにおいては、本年1月から3月まで御陵地区、上志比地区にて無料の試行運行を実施しており、これまで事故の報告もなく安全に運行できております。利用された方々からは、「時間どおりに迎えにきてくれた」、「免許返納後の通院時には便利」などのお声をいただいております。今後、住民の移動ニーズに合わせた公共交通を導入するため、試行運行の結果を検証し、住民が利用しやすい公共交通を検討してまいります。
情報政策関連では、県と市町で共同調達している「施設予約システム」を活用して、公共施設の利用における電子申請、電子決済、電子キーによる鍵の開閉システムの一体的な導入を進めてまいります。利用者が、オンライン上で手続きを完了できるようになり、利便性の向上が期待されます。整備にかかる財源としましては、デジタル田園都市国家構想推進交付金の活用を見込んでいます。また、情報発信の強化については、引き続き、本町の公式LINEの推進に努めてまいります。現在、4,600件を超える登録をいただいておりますが、災害時の緊急情報、イベント情報など、必要な情報をダイレクトに届けることができる手段ですので、引き続き登録者の拡大に努めてまいります。
重点支援地方交付金を活用した事業において、住民一人あたり4,000円分を配布する生活応援券事業を計画しております。物価高騰の影響を受けている家計の生活支援、および町内での消費促進を目的として実施いたします。生活応援券の配布については、6月以降に順次発送を予定しており、7月以降の利用を計画しています。地域を元気にし、町内での消費拡大につながるよう事業を進めてまいります。
続いて、住民税務課関連について申し上げます。
町税関連では、2月中旬から約1か月間、本庁大会議室、永平寺支所、上志比支所にて確定申告相談を実施しております。適正な住民税課税をすべく、住民の皆様に丁寧かつ分かりやすい相談ができるよう体制を整えて実施しております。また、固定資産税においては、令和9年度の固定資産税評価替に向けて標準宅地鑑定評価を実施し、適正な土地の価格に基づいた評価による課税に努めてまいります。
戸籍関連では、戸籍法の改正により、戸籍の氏名に振り仮名を記載する制度が始まります。令和7年度は戸籍に記載される予定の振り仮名を通知し、異なる場合は届け出をいただきます。正確な振り仮名が記載されるよう適正に事務を進めてまいります。
マイナンバーカード関連では、交付率が1月末で90.2%となっております。引き続きカード普及に努めるとともに、昨年12月より保険証の交付が廃止されマイナンバーカードと一体化したマイナ保険証や資格確認書の利用について、利用される方々に丁寧に説明してまいります。また、カードの更新時期を迎える方が増えておりますので、正確にスムーズに更新手続きができるよう取り組んでまいります。
環境関連では、令和7年度に環境保全に関する調査研究活動、環境美化及び保全活動を行う団体等の活動を支援する補助制度を新たに創設し、ボランティア団体への支援、民間の脱炭素社会に向けた取り組みを支援してまいります。
廃棄物処理関連では、令和7年度から小型充電式電池製品を収集してリサイクルいたします。これまで不燃ごみ等と混同して搬出されることで、運搬時およびごみ処理時に火災を起こしてしまうなど非常に危険でした。今後は専門業者による安全な回収とリサイクルの推進に努め、ごみ減量化に一歩ずつ取り組んでまいります。
国民健康保険事業では、国民健康保険運営協議会から令和7年度の保険税率改定の答申を受け、今議会において条例改正案を提出いたします。町の国民健康保険基金は、平成28年度末時点で3万円にまで落ち込みましたが、隔年の税率改定を実施し適切な税率を設定することで、現在では十分な残高が確保され、安定的に運営できるようになりました。今回の税率改定では、余剰金を活用して被保険者の皆様の負担軽減を図った改正となっております。
また、令和5年度に策定した「第3期データヘルス計画」に基づき、福祉保健課と連携した保健事業を実施することで健康保持増進を図っております。令和7年度も特定健診受診率向上のために人工知能を活用した受診勧奨通知作成や、人間ドック事業を継続して保健事業の充実を図ってまいります。
続いて、支所関連について申し上げます。
高齢者の生きがい事業として、健康長寿クラブが認知症・フレイル予防として取り組んでいる「健康長寿3年日記」が今年で10年目を迎え、これまでの累計で3,500冊以上、約1,200名の方が利用されております。日記を書くということは、高齢者にとって認知症予防効果が期待できるとともに自身が設定した目標に近づく、生活のリズムに張りが出るなどの効果もあります。今後は健康長寿クラブと学校教育課や生涯学習課などがさらに連携することで、高齢者だけでなく学生や若者にも、日頃の思い出や目標などを書き記す日記を推奨していき、「みんなで日記をつける 禅のまち 永平寺町」を目指して取り組んでまいります。また、先ほど申し上げましたとおり、新たに設置する地域づくり応援課と連携し、地域と行政のパイプ役を担うことで地域振興にもより一層取り組んでまいります。
続いて、福祉保健課関連について申し上げます。
本町の令和6年4月1日時点の高齢化率は32.2%となっています。長期推計によると令和22年には37.8%、全住民の約4割を65歳以上の高齢者が占めることが予想されています。
高齢者対策とは、増加する高齢者を支えるだけではなく、持続可能な社会を築いていくための取り組みでもあり、将来、高齢期を迎える世代の方々も安心して豊かに暮らせるような社会の実現を目指していくものです。多世代に渡って全ての方々が、それぞれの状況に応じて「支える側」にも「支えられる側」にもなり、元気に活躍できることが重要だと考えます。このことから、令和7年度の健康増進事業では、生活習慣病の予防と体力強化を目的とした住民自らが取り組むウォーキングなどの健康活動を応援してまいります。目標達成者には、デジタル地域通貨「はぴコイン」でポイントを付与いたします。働く世代から高齢者までの関心や参加意欲を引き出し、住民の健康づくりを後押しすることで、健康寿命の延伸に努めてまいります。
また、保健センター内に「いきいき健康室」を設置し、健康づくりの総合的推進に向けた体制を強化いたします。健診に関する住民税務課との連携や健康増進に取り組む関係団体との連携を深め、多様な視点から健康が損なわれるリスクを下げる取り組みを進めてまいります。
介護予防事業では、高齢者の方が人生の最終段階における終活について考えるとともに、eスポーツや健康マージャンなどを体験するイベント、「永平寺町シニア元気フェスタ」を開催します。このイベントが、新たな地域の居場所や人とのつながりを築くきっかけとなるよう取り組みを進めてまいります。
高齢化の進展により、在宅医療や訪問看護のニーズが年々増加し、ますます医療・介護・福祉の協力体制の充実が重要となっています。医療と介護連携の核となる施設である町立在宅訪問診療所においては、看護師増員による訪問看護の体制強化を図り、在宅での医療や介護の質と量を確保してまいります。
障がい者福祉においては、地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターを設置します。相談支援体制の更なる強化に努め、障がいをお持ちの方々の自立支援と社会参加の促進を図ってまいります。
令和7年度は町の福祉行政における最上位計画の「地域福祉計画」改定年度となります。昨今の福祉行政を取り巻く環境の変化を踏まえるとともに、地域住民が支えあい、暮らし、生きがい、地域を関係者の方々と協働して創っていけるような計画を策定してまいります。また、住民の皆様が健康でいきいきと充実した暮らしを送ることができるよう、「永平寺 元気、長生き、11(いい)プラン」を力強く推進する保健計画も併せて策定してまいります。
今後も様々な機関・団体をはじめ、地域全体と連携しながら、地域福祉の推進に努めてまいります。
続いて、子育て支援課関連について申し上げます。
子育て支援事業では、「永平寺町こども家庭センター えいぷらっと」を開設し、すべての妊産婦やこどもとその家庭が安心した生活を維持できるように、効果的で切れ目のない相談支援を行い、こどもが心身ともに健やかに成長できるように各関係機関と連携しながら事業を進めてまいります。
本町には病児保育施設が不足していることから、かねてより保護者の皆様から町で安心して預けることができる施設が欲しいとの要望をいただいておりました。核家族化と夫婦の共働きは現在も増加傾向にありますので、町としましても保護者の皆様が就労等でやむを得ない場合に、病気のお子さんを安心して預けられる環境の整備が必要だと考えておりました。この度、町内の民間事業者が令和8年度の開設に向けて施設整備を進めることとなりましたので、町も施設整備を支援し、保護者の仕事と家庭の両立を支援してまいります。
また、全天候型の子どもの遊び場については、災害時、福祉避難所にもなります松岡福祉総合センター翠荘の2階に設置することを決定しましたので、現在、基本設計の業務を実施しております。新年度には施設の工事に着手し、遊具についてはプロポーザル方式で業者を決定し設置してまいります。子どもたちの笑顔があふれ、住民に親しまれる遊び場となるよう、引き続き施設の整備に取り組んでまいります。
こども計画関連では、国のこども大綱や県のこども計画を勘案し、「永平寺町こども計画」を策定してまいります。本計画策定のためのアンケート調査や、こども・若者の意見を計画に反映させ、子どもや子育て世帯にとって暮らしやすいまちの実現に向けた計画としてまいります。
保育事業では、保育士補助事業として保育士資格がなくてもできる園内の清掃や消毒等の作業を委託することで、保育士の業務負担を軽減してまいります。職場環境の改善と、子育て世代の保育士の、仕事と家庭の両立を支援するため、また、保育士不足の解消にもつなげてまいります。
すべてのこども・若者が希望を持って生活できる「こどもまんなか社会」の実現をスローガンに、未来を担う子どもたちが希望をもって心豊かに成長できるよう子育て支援を推進してまいります。
続いて、農林課関連について申し上げます。
全国の米需要は、人口減少や食の多様化を背景とした減少はあるものの、インバウンドや外食産業の回復等による需要拡大を背景に回復傾向であり、米価も上昇しています。一方で、国際情勢不安に伴い、肥料を始めとする生産資材価格が高騰しており、農業の大きな負担となっております。加えて、近年の高温等の異常気象により収量および品質の低下が生じるなど、依然として、農家を取り巻く環境は厳しい状況となっております。また、農業従事者の高齢化と後継者不足が深刻化する中、「食料の安全保障」に向けた、将来の農地維持と農業従事者確保対策が重要な課題と考えております。
このような状況を踏まえ、3月改定予定の「第2次永平寺町農業基本計画」の下、魅力ある農業の持続的発展や農村振興に向けた取り組みを行ってまいります。また、将来における地域農業のあり方や農地利用の姿を明確化した「地域計画」を地域の方々と共に進めたいと考えております。
農業振興関連では、ブランド米「いちほまれ」について「いちほまれの里」としての認知度アップを目指し、栽培指導等を強化してまいります。また、生産者自らが大都市園でPR活動を行い、消費者の評価を実感し、生産意欲を向上させ、良質な安全・安心なお米として、更なるブランド力を高め、生産と販売の拡大を図りたいと考えております。
永平寺テロワール関連では、昨年11月に「永平寺テロワール推進協議会」が設立し、町内産の酒米の生産技術向上や高品質、ブランド化への取り組みの支援を行ってまいります。また、酒蔵が核となり、その作り出された人の流れと多様な地域資源を活用した地域づくりや観光誘客、また、新たな付加価値を創出する新事業へも支援してまいります。
担い手対策関連では、近年、担い手への集積・集約による経営面積の大規模化に伴い、作業効率を上げるため、機械の大型化が進んでいます。しかし、農地については小区画のものが多く、農地への進入路の幅員も狭く、耕作条件が悪い状況となっております。今回、町単事業として、国や県の補助基準に満たない農地の畦畔除去や進入路拡幅への補助事業を創設し、生産基盤の環境整備を行うことで、より担い手への農地集積・集約化を推進してまいります。
土地改良事業関連では、県営事業での古川排水路改修工事や犀川の取水堰改修工事、防災重点農業用ため池の廃止工事を、継続して実施してまいります。
林業関連では、地域の森林整備活動等への支援を継続するほか、永平寺南地区で「森林経営管理制度の実施に向けた意向調査」を実施し、調査済みの地区と合わせて、森林経営計画策定をしてまいります。
鳥獣害対策関連では、住民主体の鳥獣害対策を進めるための支援として、地区が実施する様々な対策に支援を実施してきました。今回、より一層、地区の取り組みを後押しするために補助金の拡充を行い、鳥獣害対策を強化いたします。
浄法寺山での地滑り対策関連では、今後、「地すべり防止区域の指定」にかかる地元説明会を実施し、令和7年度の国営事業による事業着手の予定です。また、重点支援地方交付金事業として、肥料など農業生産資材の高騰等により経営環境の変化が懸念される中、収入保険の保険料への補助を実施し、農業者の経営の安定と農業の維持を図ってまいります。
続いて、商工観光課関連について申し上げます。
商工振興関連では、慢性的な人手不足や後継者不足に加え、原材料・エネルギー価格の高騰や賃上げといった経営課題に直面している中小企業への支援として「創業支援・事業承継・雇用対策支援事業補助金」、「プロ人材マッチング支援事業補助金」を町商工会に補助するなど町内企業の生産性の向上および成長に向けた支援を実施してまいります。
えい坊館運営関連では、令和7年度は専門的な人材や有識者を交えて、飲食・物販販売や効果的な施設運営に関する検証会議を開催してまいります。専門的な知見からの助言等をいただくことで施設機能の向上を図り、令和8年度中に予定している指定管理への移行を着実に進めてまいります。
観光振興関連では、昨年12月より町内の観光関連団体・組織の皆様と「観光に関する意見交換会」を開催しており、福井県観光連盟地域づくりマネージャーのアドバイスをいただきながら、北陸新幹線開業や中部縦貫自動車道県内全線開通など人の動きが活発化している中、町の様々な魅力を武器に多くの方々に訪れていただく仕掛けや地域の活性化など今後も定期的に意見交換を行っていこうと考えています。
この意見交換会を通して、各種情報を共有するなど密接な関係性の構築を図り、今まで以上に効率的・効果的な事業が行われることを想定しており、町が誇る食や自然・歴史文化など地域資源を活用したイベント開催の支援も行ってまいります。
また、まちづくり株式会社ZENコネクトにおいては、多様な関係者と協働して地域の稼ぐ力を引き出す観光地域づくり法人DMOの認定を目指しておられます。行政としても連携を深め町の観光のさらなる活性化に努めてまいります。
観光情報発信関連では、福井県の観光データ分析システム「FTAS(エフタス)」の結果からも、本町に訪れた方の情報収集手段は、インターネットなどSNSによるものが全体の3割でトップとなっていることから、SNSによる発信をさらに強化していきたいと考えています。観光ホームページを中心に鮮度の良い観光情報を集約する仕組みづくりや注目度の高いコンテンツ動画等のWEB広告を出すなど、専任で行う人材として地域おこし協力隊を募集し、鮮度良く効率的、効果的に集中して進めてまいります。協力隊においては、まちづくり会社ZENコネクトに配属の予定で、地域の方々と交流して町の魅力を深く感じていただくなど業務に活かしていただきたいと考えています。
インバウンド受入環境整備関連では、2024年のインバウンド入込数が過去最多と報道されたとおり、本町でも前年比166.2%、コロナ禍前と比較しても113.6%と伸びております。また、海外の富裕層は旅を自己投資と捉え本物の価値を大事にするとのことですので、このテーマに本町の禅の歴史文化に触れる旅は親和性が高いと考えます。引き続き、関係者と連携してサービスの充実や受入環境の整備を進めてまいります。
永平寺町大燈籠ながし関連では、近年の猛暑に対処する暑さ対策が実行委員会でも重要な課題となっておりますので、令和7年度も安全対策にしっかり取り組んでまいります。さらに、来年2月の町村合併20周年を前に、燈籠ながしのイベントにおいて住民の皆様の心に残る企画も盛り込んでいく予定です。住民の皆様とともにお祝いし、次の10年に向けて希望が持てるような内容で実施してまいります。
観光事業においては、門前再整備関連で多くの企業から寄付いただいた企業版ふるさと納税や前澤友作氏からいただいた寄付金を事業費に充当して実施してまいります。
続いて、建設課関連について申し上げます。
除雪事業関連では、今月発生しました強い寒波の影響により短時間に降雪が集中しただけではなく、長期にわたり継続する形となりました。幸いなことに町内において交通が停滞するなどの被害は発生せず、大きな事故もなく作業を終えることができました。冬季における除雪事業は、本町の生活基盤を守るうえで非常に重要な取り組みですので、令和7年度は北島鮎大橋の消雪設備老朽化に伴い、散水管を露出配管としてリフレッシュいたします。旧国道416号となる町道花谷牧福島線については、県の最重要除雪路線となっておりますが、一部消雪未設置区間があり交通量も多く凍結時には交通事故も発生しています。現在、北島地区から光明寺地区にかけて水源調査を実施しており、必要水量が見込めるようであれば消雪設備の整備に着手してまいりたいと考えているところです。
災害対策関連では、住民の皆様が安心して暮らせる環境として自然災害への備えが不可欠であり、近年増加する豪雨や台風などによる被害を最小限にするためにも、水路の整備や土砂災害防止対策を進めてまいります。市野々地区を流れる押谷川については、大雨時に山からの濁流が国道に流れ出し、通行の支障となることが頻発しているため、現在、河川改修のための測量設計を行っているところです。また、土砂災害のリスクが指摘されている栃原地区においては、住民の生命と財産を守るため急傾斜地が自然的な作用を受けて、がけ崩れによる被害を未然に防ぐため、抑止工を地域住民の皆様と協力して整備いたします。
また、本町道路網における橋梁は地域を結ぶ重要なインフラであり、その維持管理は安全で快適な生活を支えるうえで欠かせないものです。令和7年度からは、老朽化が進む橋についても計画的に修繕を進めてまいります。橋梁については、5年に1度の点検が義務付けられており、継続して実施しているところですが、昨年度実施した点検により緊急性が高いと判定されました2つの橋梁の修繕を進めてまいります。北地区高架橋と北島鮎大橋については、大規模な橋梁であり早期に対応することにより、事後保全と比較して、修繕費用を大幅に削減でき交通規制期間の短縮にもつながります。軽微な損傷段階での補修や塗装の再施工を行うことで、劣化の進行を抑え、大規模な修繕や架け替えの頻度を減らすことを目指し、住民の皆様に安定した交通環境の提供に努めてまいります。
続いて、えい住支援課関連について申し上げます。
移住・定住関連では、これまでの施策を継続しつつ、新たに「若者定着」の観点での施策を充実させてまいりたいと考えており、その一環として、令和7年度に、新たに永平寺町UIターン奨学金返還支援事業を創設いたします。
奨学金返還支援事業では、町へのUIターン促進と人材確保を図るため、奨学金を返還している30歳未満の若者を対象に、最大7年間で120万円を支援することとし、令和8年度から補助金の交付を行うため、令和7年度から補助の対象となる補助候補者の認定を開始したいと考えております。大学や専門学校といった高等教育機関が立地しているという、町の強みを活かし、卒業生の定住、さらには県内外大学生のUIターンを促進するとともに、町内企業への就職促進に取り組んでまいります。
宅地造成関連では、令和6年度中に清水地係での宅地造成を完了し、分譲を開始することができました。現在1区画の成約があり、今後も分譲活動を続けてまいります。
さらに令和7年度においては、現在進めております、東古市地係・永平寺口駅パークアンドライド駐車場跡地での宅地造成を完了させ、分譲を開始したいと考えております。
引き続き、造成候補地の選定については、各区長の皆様から情報提供をいただき、その後、専門家を交え実現性を検討する手順としております。移住される方々の住まいの支援である移住・定住促進事業と合わせ、スピード感をもって事業を推進してまいります。
空き家対策関連では、年々増加する空き家に対し、これまで、空き家の取壊し支援や空き家バンク登録による利活用への取り組みを進めてまいりました。現在、改定作業を進めている「永平寺町空家等対策計画」の調査結果では、令和6年度における町内の空き家数は、362件となっており、平成27年度と比較し、35件の増加となっております。空き家所有者の約半数は、空き家を当面の間はそのままにしておくという意向であり、空き家利活用のため、また、空き家発生を防ぐ対策として情報発信を強化してまいります。
さらに、令和7年度からは空き家解消につながる、相談できる場所、相談しやすい環境を整えるため、相談会の開催回数を増やし、空き家件数の増加傾向を抑制していきたいと考えております。一方で、県外から移住される方々は、空き家を求める方が多く、空き家物件に関する問い合わせが増加しています。民間事業者との連携による空き家等情報バンクの強化、移住者や子育て世帯が空き家を購入や賃貸する際の支援を通して、空き家の有効活用と定住促進を連携した事業として推進してまいります。
企業誘致関連では、土地利用規制の緩和をさらに推進し、民間投資による地域活性化を図ります。令和6年度から、町内の農用地農地区分について、近隣市基準との調整を進めてまいりましたが、この調整結果を踏まえ、令和7年度には、地勢、地域特性、社会情勢の変化に合わせ、地域理解をいただきながら望ましい土地利用を推進いたします。また、これまで、福井北インターチェンジ付近に広がる市街化調整区域での工場等の取扱いについて、令和4年、令和6年の2度にわたり福井県に改正を行っていただきました。時期をあわせて、永平寺地区、上志比地区にある地域未来投資促進法重点促進区域を大幅に拡大いたしました。中部縦貫自動車道の全線開通を見据えて、町内全域、全体での産業振興を推進してまいります。
引き続き、子育て世代を対象とした町の移住・定住支援策を広く発信するとともに、移住される方々には、住まいの支援として空き家の利活用や宅地造成事業、土地利用規制の緩和も合わせて、移住定住施策、関係人口の増加に向けた一層の施策推進を図ります。
続いて、上下水道課関連について申し上げます。
上下水道事業では、全国的に設備や管路の老朽化対策及び耐震化対策が喫緊の課題となっており、本町においても今後、多額の費用を投じて更新を行う必要があります。能登半島地震を教訓に、国の指針のもと策定した耐震化計画により救急病院や指定避難所などの重要給水施設への管路の耐震化や配水施設などの耐震化を計画的に進める必要がありますが、令和7年度は配水管の連結性向上によるバックアップ機能強化のため、五松橋に添架されている連結管の更新に取りかかり、緊急時の給水機能強化にまず取り組むとともに、永平寺地区南部配水池の耐震性向上対策を行い、レベル2地震動に対応する配水機能の強化にも取り組んでまいります。
さらに、地震発生後における住民への生活用水や飲用水などとして活用するため、現在バックアップ用として休止中の水道用井戸において、揚水能力や水質などの調査を行い、今後の防災井戸としての機能整備につなげ、災害に強いまちづくりを推進してまいります。また、現在行っている都市計画道路の整備に併せて、福井北インターチェンジ周辺における効率的な上水道管の布設事業を引き続き実施していくとともに、計画的な設備更新や漏水対策を実施し、安心安全な水道水の供給に努めてまいります。
下水道事業では、令和2年度に策定しましたストックマネジメント計画に基づき令和7年度においても国庫補助事業を活用して財政的な負担軽減を図りながら、永平寺町中央浄化センターの設備更新を継続して進めているところです。また、下水道法及び都市計画法に基づく事業変更計画やストックマネジメント計画を策定し、中長期的な視点での持続可能な施設運営を行ってまいります。事業変更計画の策定においては、令和6年1月に発生した能登半島地震を教訓に、今後の耐震化計画策定のための基礎調査を行っていくとともに、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえて、下水管路の経過年数や管径並びに管種などを考慮しつつ、老朽管路の詳細調査及び更新計画の方向性についても検討し、安心安全なまちづくりを推進してまいります。
続いて、学校教育課関連について申し上げます。
今年1月に県立音楽堂で開催された「福井県吹奏楽アンサンブルコンテスト」にて、上志比中学校吹奏楽部の木管六重奏の6人が見事に金賞を受賞し、3月に石川県で開催される「中部日本個人重奏コンテスト本大会」への出場権を獲得しました。本大会では、日頃の練習の成果を充分に発揮し、上位入賞を目指して頑張ってきていただきたいと思います。心より応援しております。
学校施設における安全確保では、近年の記録的な猛暑の影響から夏場の高温多湿により、熱中症警戒アラートが多発し、体育館内での活動は熱中症等のリスクが高まっています。特に体育館は授業や部活動などで利用する場であることや、災害時に避難所となることから、各小中学校の体育館及び松岡中学校武道場に空調設備及び断熱確保工事を行い、教育環境・避難所環境の改善を図ってまいります。また、「学校施設長期保全再生計画」に基づく改修工事も継続的に進めておりますが、より長期的な安全性の確保や機能保全を図りつつ、照明のLED化も進め、児童生徒と教職員に安全で快適な教育環境を提供してまいります。
教育ネットワーク関連では、町内の小中学校でタブレット端末を活用した授業を行う際、現在の校内ネットワーク環境ではアクセスが集中することにより、通信が不安定になるといった課題があります。今後、デジタル教科書の普及などにより、さらなる通信量の増加を見据えて、各学校のWi‐Fi環境を整備し、校内ネットワークの環境強化を図ってまいります。また、学校教育として基礎学力の定着や家庭学習の充実といった課題に対し、小学校5年生から中学校3年生までの児童生徒を対象に、タブレット端末で利用できるデジタル教材アプリを導入し、一人ひとりの実態に応じた個別最適な学びを推進してまいります。国は全ての学校の情報をクラウド上で一元管理する「次世代型の校務支援システム」の導入を推進しており、教職員の負担軽減と校務の効率化が一層進むことが期待されています。本町においても、令和8年度からの運用開始を目指し、システム導入に向けた環境整備に取り組んでまいります。
部活動関連では、国が休日の部活動を地域へ移行する方針を推進している中、本町では以前より外部指導者の配置を進めてまいりました。そのため、国が示す時期よりも1年前倒しで、新年度から休日の部活動を地域へ移行することを決定し、「部活動地域移行推進準備会」において協議、準備を進めております。また、持続可能な部活動の推進に向け、平日に合同で部活動を実施する際の学校間の移動手段として、行きのみ町バスの運行支援を検討しています。ただし、運行は役場職員の勤務時間内に限られるため、保護者や外部指導者のご理解をいただいたうえでの実施となります。今後も円滑な地域移行を進めるため、学校との連携を深めるとともに、保護者の皆様や地域の皆様のご理解、ご協力を賜りながら、関係団体とも協力し、地域移行がスムーズに展開していくよう努めてまいります。
学校給食関連では、児童生徒数の減少や調理員の人材不足、調理施設や機器の老朽化などの課題があります。特に調理員の確保が難しく、応募者がいるにもかかわらず、職場の印象や調理作業の身体的負担などから安定した雇用に至らないといった状況が続いています。こうした課題を踏まえて、これまでに他市町の給食運営状況を視察し、情報収集を行い、令和6年度は最新の給食調理の状況と比較した映像を作成しました。今後は、その映像を保護者や関係者の皆様に視聴していただき、幅広い意見を収集したうえで長期的視点に立ち、より効果的かつ効率的な方法を検討して本町に適した給食運営の方向性を決めてまいります。
その他、学校で重点的に進めている学習では「ふるさと教育」と「防災教育」の推進があります。ふるさと教育においては、実施開始から4年目を迎え、子どもたちにとって地域への愛着や理解を深める貴重な機会となっています。防災教育においては、これまでの体験で、災害時に周囲の人々と助け合うことの重要性を学ぶとともに、自然災害への意識を高めて、避難所設営の補助などの社会貢献力を養ってまいりました。今後も、ふるさとの魅力を理解し、愛着と誇りを育む「ふるさと教育」や、子どもたちの防災意識を高める「防災教育」など、学校教育の取り組みを積極的に支援してまいります。
続いて、生涯学習課関連について申し上げます。
地域づくりの推進と活性化施策では、持続可能な地域づくりを目指して自治会や住民同士による自発的な活動を支援しております。地域振興補助金については、「地域づくり応援事業」、「わがまち夢プラン育成支援事業」、「伸びゆく町民運動推進事業」についての事例集を作成し、地域の皆様が参考にできるよう整備いたしました。また、「わがまち夢プラン育成支援事業補助金」については、より活用しやすい制度とするため、NPO法人や協議会等を事業主体に加えて補助の対象範囲を拡大しました。さらに3年間の補助期間を4年目以降も補助率2分の1、上限額10万円で継続できるよう見直しを行い、地域活動の充実を後押ししてまいります。
地域の将来を担う子どもたちが、地域への関心を高め、活性化に関わることは重要です。そこで、新たに「スマイルプロジェクト応援事業」を創設し、小中学校の児童生徒が企画する地域活性化事業を支援する仕組みを整えました。これにより、子どもたちの自発性や創造性を育み、社会参加意欲の向上を図ってまいります。
永平寺農家高齢者創作館跡地に、新たな地域の拠点として「志比南拠点施設」を整備いたします。本施設は、公民館として地域活動の場を提供するとともに、消防団車庫を併設し、防災拠点としての機能も備えます。また、災害時には避難所としても活用できるよう計画しています。施設整備にあたっては、地域の皆様と意見交換を重ねながら、高齢者や障がいをお持ちの方を含む要配慮者への対応を強化するとともに、環境にも配慮した設計となっています。令和8年1月の運用開始を目指し、着実に整備を進めてまいります。新たな公民館が地域の皆様にとってより身近で使いやすい施設となることで、地域のつながりがさらに深まり、様々な活動が広がるよう町も支援してまいります。
また、地域住民の利便性向上を目的として、施設の利用実態に即した農業施設の所管替えを実施いたします。「松岡多目的集会センター」および「松岡農業構造改善センター」を公民館として活用することで、住民の集会や学習活動、文化・交流の場としての機能を強化し、地域コミュニティの活性化を推進してまいります。
地区振興会の活性化については、意見交換会を実施し、課題や問題点を共有しながら、より効果的な支援策を検討、実行してまいります。また、新たな地区振興会の設立に向けて情報提供や住民への働きかけを進めるとともに、地域の特性に応じた振興会の設立を促すことで、地域組織の強化を図ってまいります。今後も、住民の皆様の声を真摯に受け止めながら、地域づくりの推進に努めてまいります。
文化財保護事業については、郷土の歴史・風俗・習慣、そして多くの文化遺産に対する皆様の理解をより深めていただけるよう、出土資料や民族資料を含む各種文化資料を後世に伝えることに引き続き努めてまいります。文化財の定期的な点検や修繕に加えて、劣化状況の把握や保存環境の確認を行いつつ、住民を対象として講座等を開催することで文化財への理解促進を図ってまいります。
令和6年度に町指定文化財「島の宝篋印塔」の鞘堂が整備を終えましたので、令和7年度においてはアクセス道整備を行い、より多くの人が訪れやすく、維持管理もしやすい環境を整備いたします。同じく、吉野ヶ岳蔵王大権現への登山道を令和7年度から擬木階段設置等により整備し、登山者の安全確保を図りつつ、こちらもより多くの人が訪れやすい環境となるよう整備を進めてまいります。
文化芸術振興事業については、住民の文化芸術への意識向上と地域活性化のため、令和7年度は自衛隊音楽隊コンサートを開催いたします。過去のアンケートでコンサート希望が多かったことや、前回開催から期間が空いていること、自衛隊音楽隊の演奏は、高い音楽性と迫力あるパフォーマンスで全国的に評価されており、文化芸術に触れる機会として十分な意義があると考えております。また、コンサート前には町内中学生を対象とした演奏指導をしていただけるとのことですので、中学生の皆さんの演奏レベルアップに必ずつながるものと期待しております。今回の演奏会は、これまでの実績を踏まえた内容となりますが、今後も住民の皆様の声を反映しながら事業を進めてまいります。
続いて、消防本部関連について申し上げます。
全国的に救急車の出動が多くなっている中、本町においても令和6年で692件、さらに今年1月には91件の出動を記録しており、1日約3件のペースとなってまいりました。これは、高齢化の進展や生活様式等の変化が背景と言われており、近隣の消防本部においても同様の傾向が見受けられます。そのような中で、1件でも安易な要請を減らすべく、県はシャープ7119救急相談を設けました。これは医療の専門家が窓口でサポートすることで救急車を呼ぶべきか、どの病院に向かえばよいかなどを判断しやすくすることが目的です。現在、役場庁舎に宣伝用の懸垂幕を掲示するなどして、この緊急相談窓口を広く周知することで、本来不要な救急車の出動抑制になるよう努めてまいります。
火災予防関連では、年末から本格的な厳しい寒さとなり、毎日のように全国のどこかで火災のニュースを目にするようになっています。いったん火災が発生しますと甚大な被害が発生し大きな損害となりますので、発生自体を防止することが非常に重要となってまいります。本町では、高齢者住宅への防火訪問を春と秋の火災予防運動時に女性消防団員の皆様と実施するとともに、消防団員による警鐘警戒パトロールを行うなど防止活動に努めております。また、町内の各事業所には消火器などの消防用設備等点検結果報告の促進を継続して行っております。実績としましては、直近全体で85%となり、県平均の39%、全国平均の55%を大きく上回る成果を挙げております。今後も継続し、報告を促すとともに、消防査察を実施し違反の是正に努めてまいります。併せて、一般住宅において、火災の早期発見に効果がある住宅火災警報器の適正な維持管理を促し、住宅火災の未然防止に努めてまいります。
また、近年の世界的な異常気象に伴い、日本国内も大規模な自然災害が各地で発生しており、令和5年7月の大雨では町内においても河川の越水をはじめ、林道や田畑に土砂が流入するなど被害が発生しました。水害のみならず、国内では比較的に地震が少ないとされてきた北陸地方でも群発地震が発生しており、周辺地域の地殻変動や活断層の活動が活発化するなど巨大地震がいつどこで起こるかわからない状況となっております。そういった状況から、住民の皆様一人ひとりが防災意識を見直すきっかけになるよう、6月に消防、警察、自衛隊をはじめ各種防災機関、全地域の自主防災組織を対象に総合演習を企画しております。町としましても、防災関係機関、民間事業者と連携して災害対応力のレベルアップを図ってまいります。
それでは、本定例会にご提案いたします議案等について申し上げます。
本定例会に提出いたします案件は、「損害賠償の額を定めることの専決処分の承認について」をはじめとする承認案件が2件、「永平寺町職員の勤務時間、休暇等に関する条例及び永平寺町職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例の制定について」をはじめとする条例案件が21件、「令和6年度永平寺町一般会計補正予算について」をはじめとする補正予算案件が6件、「令和7年度永平寺町一般会計予算について」をはじめとする当初予算案件が8件、「辺地に係る公共的施設の総合整備計画の変更について」の計画案件が1件、「永平寺町教育委員会委員の任命同意について」の選任・任命案件が1件の計39件です。
それぞれの議案につきましては、上程の際、ご説明いたしますので、何卒、慎重にご審議いただき、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。
以上、本定例会の開会にあたり、町政に対する所信の一端と議案について申し述べさせていただきました。
議員各位におかれましては、町政発展に向けて一層のご尽力を賜りますようお願い申し上げまして、開会のごあいさつといたします。
ようこそ町長室へ
情報配信元
総務部門 総務課
電話番号:0776-61-3941
ファックス:0776-61-2434
メール:somu@town.eiheiji.fukui.jp
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